収益計画の立て方~PDCAのCAをうまく回すために~(前編)


今回は、経営企画や経理・財務といった職種に携わっていらっしゃる方向けのエントリーです。

収益計画を立てるとき、特に原価・販管費を策定するときに
皆さんはいつもどのように作業を進めますか?

昨年度のトレンドをそのまま伸ばす?
こまかく費目を積み上げる?

数字の作り方としては、どちらも使いますよね。科目によって使い分けますけど。
でも、その前に。
次のことをやるかどうかで
PDCA(Plan→Do→Check→Action)のC→Aの精度が全く違ってくるという
お役立ちネタをお教えしましょう。

それは。「前提条件をツメること。」

前提条件ってなんじゃらほい?
と思う方もいらしゃるかもしれませんが、
難しく考える必要はありません。

原価であれ、販管費であれ、
それぞれの科目に毎月何が計上されているのか、全て言葉で書き出せばいいんです。

毎月いくら、と分かっているものはそのまま書けばいいし、
消耗品費のように細かいものの合計であるようなものは
過去1年間くらいの平均値をとって、月これくらいはかかる、というのを出せばよいです。
毎月じゃないけど、単発的に発生するというものも、
とにかく全て。

では、もうちょっと細かく手順を書いていきます。

1.前提条件書き込み用の表を用意
  ExcelでもWordでもどちらでも構いませんが、収益計画自体はExcelで作るので、
  まとめて保存しておくには、Excelで作成するのがよいでしょうね。
  ご自分のお会社の勘定科目を全て縦に並べます。その横列に、いろいろ書き込める枠を取りましょう。

2.昨年度のトレンドを出す
  1とは別のシートで、昨年度における各科目の内訳を掴む作業をします。
  お使いの会計ソフトから、月別損益計算書の1年分のデータ等を吐き出して、以下3つを整理します。
  (1)毎月同額で計上される金額とその内容
  (2)毎月ではないけど、決まったタイミングで、ほぼ一定の額で計上される金額とその内容 
  (3)(1)と(2)以外に、細かい費用がある場合は、その平均値 
 
3.1の表への書き込み
  2の(1)~(3)を掴んだら、1の前提条件用の表に、誰が見ても分かる言葉で科目毎に端的に条件を書いていきます。
   (例) 【通常】×××費:×××千円/月、その他費用:×××千円/月(平均)
       【例外】×月と×月に××費××千円加算
   といった感じ。
   ここで、自分の部下が読んでも分かるように意識して書いておくと、
   Check=計画と実績の差分分析のときに、
   すんなりと部下にその差分出しをお願いすることができるので楽ですよ。

4.前提条件の確認
  条件が洗い出せたら、一旦条件そのものの確認をしましょう。
  この先変更がありそうかどうか、平均値をとった場合は、その値に違和感はないか、などなど。
  ここでは、ほぼ確実な変更のみを反映させ、希望的変更は入れないようにします。
  で、アナタがもし担当者で、上司がいるのであれば、数値をくみ出す前に、
  「これで計画値をつくっていきますね」と上司に確認を取りましょう。
 
5.前提条件どおりに、収益計画表を作成

では、なぜここまでするのか?
それは、明日、ご説明することにいたしまーす。