Re: もっと。


数学は、人生をよりラクに生きるための力を、
数字を通して育むことができる学問かもしれない、と本書を読んで思った。

数学に感動する、面白いと思うために必要な能力として、
筆者は以下のものをあげている。(私なりにやや文書をまとめている。)

・記憶力=小学3年くらいまでの理屈抜きでものを覚える能力。
数の世界に親しみ、感覚をつかむために必要。
・イメージ力=頭の中で全体を見渡す能力。
・発想力=ちょっとしたアイディアを思いつくひらめきのようなもの。
似たような問題を連想する力に支えられている。
・推理力=もしも、なぜならと仮説を立てて検証する能力。
・位置づけ能力=自分の経験を通して理解する、ピンとくる能力。
・洞察力=ある具体的な形の問題の中に違った構造のものが隠れていたり、
別の問題で見た構造が組み合わさっていたりという、奥深い構造を読み取る能力。

記憶力はちょっとおいとて、それ以外の能力は数学ではなくても、
社会に出てから必要なものとして上司から教わったり、
ビジネスhow to本で読んだりしたことの類いではないだろうか。

これらの能力の土台として必要なのが、記憶力だとわたしは思う。
どの能力も、そもそもの定理やルールが分かっていないと=使える知識や過去の経験を
頭の中にいつでも引き出せる状態で持っていないと、発揮できないからだ。

この本は、数学に必要な能力として紹介していたが、
もし、学生の頃に先生から、
「数学ではこういう能力を高めることができてね、
社会に出たらこういう場面で役に立つから、だから今のうちに鍛えておこうね。」
なんて言われていたらどうだっただろう。
もう少し数学と向き合う時間が長くなったんじゃないだろうか(笑)

今の教育の現場に、そんな風に伝えられる先生がいるとは到底思えないのが、悲しいね。



読了☆今日もていねいに。


ほんの少し、気持ちを込めて、
昨日よりもちょっぴり上質な今日を送るためのコツ。
そういったものを教えてくれる、素敵な素敵な文庫本。

カバーもあったかみがある。
手放したくない一冊。