Re: そのとおり。


藻谷 浩介
角川書店(角川グループパブリッシング)
発売日:2010-06-10

現在のデフレは、生産年齢人口(15~64歳)の減少から
1.需要不足・消費不足が起こり(高齢者は消費<貯蓄であるため)、
2.モノが売れなくなり、
3.企業の収益が落ち、
4.労働者の給料が減り、
5.消費意欲が高いはずの現役世代のその意欲を削ぎ、
1にまた拍車をかけているサイクルで起こっていることなのだ、
ということを
基礎的なデータの提示と、それに対して予想される反論を掲げ
さらにそれに反証を提示して行くという
わかりやすい経済本。

これに対する解決策として
3つの目標と3つの具体策を提示しているが、
この具体策の論の展開が薄いのが残念だった。

特に、その目標のうちのひとつ、
「生産年齢人口が減るペースを少しでも弱めよう」
に対する具体策
「女性就労の促進と女性経営者の増加」には、
女性としてはすんなり「いいね!」とは言えない内容。
女性就労の促進自体はいい。正しいと思う。
だが、それを促すための策として、
退職した男性高齢者が家事に当たればいいと、
さらっと書いて終わっている。

大変なのは、家事ではない。育児だ。
家事もそれなりに時間をくうので、大変は大変なのだが
家のことだけなら、自分の工夫次第であったりするので
仕事との両立はなんとかなる。
でも、これは最近お世話になりだしたある男性も仰っていたことが、
育児は子供の予測不能な動きに対応する必要がある。
危ないことをしないか張り付き状態になる。
いけないことをしたならば、ちゃんと向き合って教える必要がある。
子供とはいえ、心をもった人間だから、
言葉や態度にも気をつける必要がある。

もしそれを、男性高齢者の方々にお願いするとしたら。
大変申し訳ないが、直感的に恐い。
その世代の方々は、
仕事一辺倒、家庭よりも会社を優先してきた方々が多いと思う。
そういう方々にそれができるのか?と思ってしまう。

直感でしかないので、ここは是非、男性の皆さんからの
「そんなことない!」というご意見を頂戴できたら、と思う。

わたしだって、安心して子供を預けて、誰からも文句を言われず、
遅くまでバリバリ仕事ができる環境がほしい。
それが確保できるなら、
もっと前向きに、生産年齢人口増加に貢献することを検討しますよ。

と、建設的ではない意見になってしまった...